先日「お金持ちの自宅訪問」という記事をアップした時に思い出した話がある。
しばらく前の話だが、日本食レストランの店長をしていた知人が帰国することになり、一人で食べに行ったことがあった。
私の隣のテーブルには50代後半~60代とおぼしきイギリス人のおじさま二人組。
お酒が入っているせいかメニューを私に差し出して、自分たちはよくわからないからおススメを教えてほしいと絡んできた。
日本人だからわかるでしょ、ということなのか、友人の店長と親しそうに話していたから常連と思われたからなのかはわからない。
私も根が親切なので(と自分で言っちゃう、てへ!)おじさんたちの絡みにも丁寧に対応していると、友人である店長がおじさん達には日本語がわからないのをいいことに
「このおじさん達、デキてるよね、さっき注文取った時にいちゃついてたよ~」
と通りがかりに言ってきた。
単に酔っぱらってるおじさん達かと思ったけれど、確かにおじさん二人でいい雰囲気のレストランなんて普通来ないだろうし、言われてみれば一人がタチ(攻め側)でもう一方がネコ(受け側)にも見えてきたりする。
店長の友達はお店が忙しかったし、私はそんなところへ一人で行っちゃったもんだから、なんだかんだで隣のおじさん達は絡みをやめず色々話しかけてきた。
するとタチのおじさんが
「今さ、家、探してない?こいつ(ネコ)フラットメイト(同居人)を探してるんだよ。」
と尋ねてきた。
ちょうどその時、私は大家がその物件を売ってしまったため、新しい家を探さなくてはいけない状況だった。
「え!?探してます!!」
こんな年齢のおじさまが家をシェアしてるなんて、ちょっぴり変だなと思ったものの、思わず反応。
するとネコのおじさんが
「ぜひうちに来てよ!!今シェアしてる子が今月末で出てっちゃうのよ~」
と食いついてくる。
聞くと私の家の近所で、ネコのおじさんは黒人女性と家をシェアしているらしい。
………。
ゲイとは言え、おじさんと二人暮らし…。
時々いるんだよね、おじさんでシェアメイトを探している人。
おじさんだから、という理由だけではなくて、2人だけで暮らすというのはもし馬が合わなかった場合、キツイと思うんですよね~~。
でも私は早急に家を探さなくてはならない身。
とりあえず、とお家賃を聞いてみた。
「えっとね、37万♡家自体の家賃が74万だから、一人37万♡」
は!?
何が悲しくて、月37万も払っておじさんとシェアしなきゃなんないわけ!?
つーか月37万払う余裕あるなら、シェアなんかしないっつーの!!
はいはいはいはい、サヨウナラ。
即、却下。
なのにタチのおじさんが
「こいつの家、すごいんだよ。おしゃれだよ~」
とおススメしてくる。
とてもじゃないけど、私には支払えないです~~~💦
そう断ってるのに、めっちゃしつこいネコのおじさん。
おじさんも黒人女性が出ていってしまったら一人じゃ払いきれないと、必死だったのかもしれない。
おじさんカップルが食事を終えて店を出て行く時に、ネコのおじさんが私のところへ戻ってきて
「僕の名前はね、ジェームズ・ボンド(仮名)っていうの。SNSで探して!」
と言い残して去っていった。
いやいや。
何と言われようとも37万なんて無理だし。
全然興味はなかったけれど、おじさんの本名は結構覚えやすい名前だったので、帰宅してSNSをチェックしている時にふと思い立って検索してみた。
おじさんのSNSはなんだかアートっぽいページ。
ゲイの方って芸術やファッションに秀でていたりするけれど、このネコのおじさんはそれほどオシャレな雰囲気はなかったので意外(失礼)。
おやおや、まぁまぁ…と思いながら見ていると。
アルバムにあった写真にホームページのURLと共に「国立肖像画美術館(ナショナル・ポートレート・ギャラリー) 蔵」とか書いてあったりする。
…え??国立肖像画美術館???
ロンドン観光といえば大英博物館と並ぶ有名な美術館でナショナルギャラリーという場所があって、ナショナル・ポートレート・ギャラリーというのはそのナショナルギャラリーの別館。
おじさんの作品が、国立肖像画美術館に!?!?
思わずおじさんの名前をググってみると…
…えええええ!!
ウィキペディアにも載ってる~~~~~!!
そして確かに国立肖像画美術館のホームページにもおじさんのページがあり、なんとおじさんの作品は6作品も展示されていました。
このおじさんと繋がる気なんてまったく、まーーーったくなかったんだけど…面白そうじゃないですか!!
友達申請ポチ。
おじさんはすぐに連絡してきた。
家が近所だったこともあり、一度内見に来ないかと誘われた(しつこい!)。
で、日本人と一緒に日本食レストランへ行きたいから、そのあと一緒に行こうと。
37万なんて払えるわけないし、家に行くのはちょっと怖い気が…。
でも見方を変えれば、なかなか知り合えないような人のお家訪問なんて機会、そうそうあるもんじゃない。
何だったら住所教えちゃって危ない目に遭うかもしれないのはおじさんの方かも。
なにせおじさんはゲイだろうし、更に有名な人だから、変なことはしてこないでしょう!と踏んで、訪問してみることに。
内見の後に日本食レストランへ行こう、ってことはおじさんが奢ってくれるんだよね?
さすがに手ぶらで行ったら悪いか、とおうちに飾る花束を携えておじさんのお宅へ。
教えられた住所にやってくると、なにやら工場のような倉庫のような雰囲気…。
え、ここ…???
これ、家って感じじゃないよなぁ…。
戸惑って辺りをウロウ見渡していると、その工場のような倉庫のような建物の屋上からおじさんが手を振っていました。
「いやぁ~悪いね、今まだ改装の途中でね」
倉庫のような建物の中には螺旋階段が。
螺旋階段のペンキを塗っていたところということで、新聞やら塗料が散らかっている。
乾いていないペンキに触ってしまわないよう、気を付けながら階段を上がると、確かにモダンな空間だった。
そのおじさんの家、メディアに取り上げられたりも結構しているようで、ネット上で写真を見つけたのでアップしちゃいます…笑





この黄色い螺旋階段!
これが私が行ったときにペンキ塗ってた階段!!
で、モダンでしょ?
さすが芸術家、って感じの家だな、って思うでしょ?
だけどね。
んもーーーーーーーーー!!
この家具1点1点について
「これはXXの●●でXXXXポンドした」
「これは△△で買った〇〇でXXXXポンド払った」
といちいちいちいち説明してくるんです!!!!!!
だからこの記事を書いてて思い出したんです!!!!
一番最後の写真にバルコニーみたいなのが写ってるでしょ?
バルコニーにも連れていかれて、
「この植木鉢はハロッズ(イギリスの最高級デパート)で買った」
「このベンチは●●で作らせて、XXXXポンドかかった」
とか全部、ぜーーーーーーーんぶ言ってくるんですよっっ怒怒怒
で、部屋&バルコニーだけじゃなくて、いろんなものがごっちゃに詰め込んである物置部屋にも連れていかれたんです!!
これまた一番最後の写真・新聞の右上に、木製のバスタブみたいなのがあるの、見えますか?
私が行った時、これはその物置部屋のごみ溜めみたいな中にあって、これもめっちゃ自慢されたんです…!!!!!
つーかお風呂場も見せてもらったけど、お風呂場というかコンクリート打ちっぱなしみたいなシャワールームで、こんな浴槽もない冷たいシャワールームに絶対37万なんて支払わないぞと決意を固める私(ってか、払えない…)。
つーーーーか、黒人女性のお部屋も見せてもらったけど、コンクリート打ちっぱなしの冷たい感じ。
彼女が使ってるのはその1部屋だけで、あとは全部おじさんの空間。
それなのに家賃きっちり半分ずつって…おじさん、ひどくない?💦
おじさんの自慢は確か2時間近く続いた。
おじさんの自慢話にお腹いっぱいでくたくたになったころ、おじさんの写真集を見せられた。
「それ、王族。」
どうやら王族の方々を撮った写真だったようなのですが…私だってねチャールズ王とかウィリアム皇太子・ヘンリー王子とかならわかるんですよ。
でもね、さすがに日本でいう竹田さんあたりの人を「王族」って出されても全然わかんないから!!!!
さらに写真集を見ていくと、どうもLGBTっぽい写真になってきた。
お、本領発揮ね?と思ったものの、おじさんがLGBTの人々を揶揄するような話し方をしてきたのでなんだかカチンときてしまった。
思わず
「あなたもゲイでしょ?どうしてそんな言い方をするの?」
と言うと、おじさんは傷ついたように
「僕はゲイじゃないよ!!」
と全否定してきた。
うおーーーーーー・・・・!!!!
おじさん、ゲイじゃなかったんか・・・!!!
おじさんの家に着いた時、一瞬ぞくっとはしていた。
手土産の花束を渡した時に、ほっぺにちゅっとされたのだ。
よく挨拶で頬と頬を近づける仕草はするが、実際にちゅっとされることはまずない。
時々おばさんやおばあちゃんが実際にちゅっとしてきたり、おじさんだったら手にちゅっとしてきたりすることはあるっちゃあるけど、やっぱりおじさんは手でも「うぉっ…」となってしまう。
だからこのおじさんから頬にちゅっとされた時も「うおおおーーー」と鳥肌が立ってしまったが、ゲイだからある意味おばあちゃん的な感じでちゅっとされたのかなと思ったりしてた。
だけど!!
うぎゃああああ、ゲイじゃなかった!!!!
自分一人、ひそかにパニくっていると、おじさんが
「お腹減ったね」
そうだ、そうだ、早くここを出よう。
「日本食レストランに行きましょか!」
こんだけ自慢話聞かされたんだから、マジたらふく食べさせてもらわなきゃね!!
正直言うと、何を食べたのか全然覚えてない。
だけど私の食べたいものじゃなくて、おじさんの食べたいものばかり注文されたのは覚えてる。
・・・普通おじさんってわけぇもんに食べたいものを食べさせてやるのが至福だったりするんじゃないの?
おじさんはゲイじゃないってなったのに、まだどこか、おじさんがゲイだと認識してる自分がいて、ゲイのおじさんって他人の意見なんて聞かない人が多いからね。
もう、いいよ。おっさんが払うんだろうから、食べたいもんを食べてくれ。
そして一番覚えてるのはコレ。
お会計の時に
「じゃあ君は£60ね」
えええええーーーーーーーーっっっ!!??
おっさん、まさか私に払わせるの!?!?!?
私、食べたいもんも食べてない!!
お酒だって飲んでない!!(私は飲めない、でもおっさんは飲んでた!!怒)
手土産も持ってった!!
で、なぜかお会計の半分である60ポンドを請求してくる…!!!!
まーーーじーーーーかーーーー!?!?!?
おっさん、あれだけ家具がいくらかかったやら、高級デパートで買ったやら、誰々に作らせたやら言っといて…そりゃないよ??
マジでおっさん、最悪だった!!
いや、ネタにはなったわ。
新聞や雑誌に載るようなお宅訪問できたからね。
国立肖像画美術館に展示されるような芸術家のお宅だしね。
でも1回で十分。
その後、おっさんから何度もDMが来たものの、私が返信しなかったのは言うまでもない。


コメント